日本看護診断学会第12回学術大会報告 質保証時代における看護診断
【パネルディスカッション】
日本語として適切なNANDA看護診断ラベル訳の必要性―看護職,他職種および看護ケアを要する人々に理解され,共有されるものになるために
数間 恵子
1
Keiko Kazuma
1
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻成人看護学/緩和ケア看護学分野
1School of Health Sciences and Nursing, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
pp.86-88
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100255
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はじめに
NANDAの看護診断分類がわが国で知られるようになった契機は,1970年代にPOSがわが国に紹介されたことである.POS導入にあたり,看護のP(problem)を表現する用語がなかったことを背景として,POSを展開する必要上,取り入れられた.しかし,その診断ラベルの日本語訳については,看護職自身が表現に違和感を覚えたり,他の医療職者から理解困難と評価されたりしている現状がある.このことは,看護診断分類の本来意図するところを顧みると非常に残念なことであり,緊急の検討課題と考えられる.
筆者は,これまでNANDAの看護診断分類とかかわるいくつかの機会があった.今回,その経験を通し,診断ラベルの日本語訳が看護職や医療職の間で理解され,さらに看護を要する人々にも共有されるにはどうあるべきか,また,看護教育において看護の概念を伝える重要なツールとして,どのような配慮をすべきかについて述べる.
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