◆ケーススタディ 身障
「高次脳機能障害の一例」を読んで
佐藤 章
1
1埼玉県障害者リハビリテーションセンター
pp.36-37
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
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- 文献概要
このケーススタディに対してのコメントを述べる訳であるが,コメントの内容は,ケーススタディの形式については特に触れず,文面から読み取れる範囲のことに関して述べていきたいと思う。
まず,著者は,初期評価において,運動機能,精神機能,感情の面,ADLについて述べ,問題点として視野狭窄等をあげている。そして全体像として,脳全体の機能低下,精神機能障害,視覚障害,感覚障害,コミュニケーション障害をもったケースとして捉えている。ここで著者も当然わかっていることであるが,これらの障害と関連した動作・行為障害のあるケースという表現を付け加えた方が,より全体像が明確になると思われる。また,初期の治療目標のところで著者も述べているように重要な点は,身体機能と日常における動作・行為能力とのギャップであろうと思われるが,この点についても問題点のところで触れた方が良いのではないかと思われる。
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