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Secondary Publication
二次出版:男子大学生バレーボール選手の利き腕側肩関節の内旋域減少と肩甲上神経障害の発症率についての研究
Glenohumeral Internal Rotational Deficit and Suprascapular Neuropathy in the Hitting Shoulder in Male Collegiate Volleyball Players
三浦 和知
1,2
,
津田 英一
2
,
石橋 恭之
3
1健生病院整形外科
2弘前大学大学院医学研究科リハビリテーション医学
3弘前大学大学院医学研究科整形外科学
キーワード:
バレーボール
,
肩甲上神経障害
,
肩関節内旋域減少
Keyword:
バレーボール
,
肩甲上神経障害
,
肩関節内旋域減少
pp.959-970
発行日 2022年9月18日
Published Date 2022/9/18
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要旨
背景:バレーボール選手はスパイク動作を反復して行うことで利き腕側肩関節に高度のストレスが加わり肩関節内旋域減少(GIRD)と肩甲上神経障害をきたす可能性がある.本研究の目的は男子大学生バレーボール選手におけるpathological GIRDと肩甲上神経障害の発症率を明らかにすることである.
方法:男子大学生バレーボール選手22名を対象とし,肩関節可動域,肩関節等尺性筋力,棘下筋の厚さ,および神経伝導検査での肩甲上神経の潜時と振幅を測定し,利き腕側と非利き腕側で比較した.
結果:肩関節の平均内旋域は非利き腕側(64.5±10.2°)と比較し利き腕側(55.1±8.7°)で有意に減少していた(p<0.001).20°以上のpathological GIRDは4名(18.2%)に認めた.3名(13.6%)の利き腕上肢に神経伝導検査で棘下筋に肩甲上神経障害を認めた.利き腕側肩関節の内旋筋力に対する外旋筋力の比(99±18%)は非利き腕側(106±12%)と比較し有意に減少していた(p=0.04).棘下筋の厚さおよび神経伝導検査所見(潜時・振幅)は利き腕側と非利き腕側との間に有意差を認めなかった.
考察:男子大学生バレーボール選手におけるpathological GIRDの発症率は過去の報告と同様であったが,肩甲上神経障害の発症率は過去のハイレベルなバレーボール選手における報告よりも低かった.肩関節障害を予防するためには,利き腕側肩関節の外旋筋と内旋筋との間の不均衡を改善する後方腱板の筋力増強訓練を行うことが推奨される.
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