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このたび,本医学会の理事に選任され,その後の理事会において第7代理事長に選出いただきました.光栄に存じ,感謝申し上げるとともに,責任の重さを改めて痛感しております.就任にあたっての抱負は,先月号のeditorialで述べさせていただきましたので,本稿では,1989年の本学会社団法人化以来6代の理事長を務められた先輩諸先生方の足跡を簡単に辿ってみたいと思います.初代の津山直一先生は,リハビリテーション医学は「どうすれば障害克服に役立ち,最短距離で最有効の社会復帰が可能になるかをテーマとするサイエンス(科学)」であり,本医学会の存在理由は「障がい者に対する役に立つ,効果のある,根拠のある方法の探求にある」と述べ(リハ医学 1989;26:325-326),本医学会の進むべき方向性を明確に示されました.1994年に第2代理事長に就任された米本恭三先生は,とりわけ1996年のリハビリテーション科標榜認可にご尽力され,実学としてのリハビリテーション医学の基礎を確立されました.1998年から千野直一先生が第3代理事長に就任され,2001年に学会認定医制協議会で基本領域診療科としての認定を実現されました.これは現在進んでいる専門医制度改革におけるリハビリテーション医学会の存在感につながっています.また,同年には文部科学省科学研究費補助金において「リハ科・福祉工学」が新設されました.新医師臨床研修医制度が開始された2004年には江藤文夫先生が第4代に選任され,特に専門医の教育に力を注がれました.2006年にはリハビリテーション専門医会が設立され,第1回専門医会学術集会が開催されました.2008年から里宇明元先生が第5代を務められ,同年に起こったリーマンショックの影響もあって厳しい財務状況の中,社会に開かれた日本リハビリテーション医学会を目指し,公益社団法人化に向けてご尽力され,2012年4月に認可されました.2011年に発生した東日本大震災を受けて,大規模災害リハビリテーション対応マニュアルの発行など,災害時への対応についても本格的な取り組みを始められました.2012年には水間正澄先生が第6代理事長に就任され,翌2013年に本医学会が設立50周年を迎え,記念祝賀会開催や記念誌の発行などの記念事業を成功裏に終えられました.財務の健全化に尽力されるとともに,国際化に向けた取り組みとして,2019年の国際リハビリテーション医学会神戸開催誘致成功や,英文誌“Progress in Rehabilitation Medicine”の刊行も実現されました.
このように振り返りますと,改めて先達のご努力に頭の下がる思いがいたします.また,会員諸先生方のご協力があればこそと強く感じます.超高齢社会にあって,社会への責任を本医学会が全うしていくことも含め,理事長として精一杯務めさせていただきますので,会員の方々にはぜひ温かいご支援をお願いいたします.
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