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編集後記
立石 雅子
pp.65
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100153
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言語聴覚研究第5巻1号をお届けします.
本号では第8回日本言語聴覚学会におけるシンポジウム「急性期における言語聴覚士のあり方」の講演内容がまとめられています.佐藤先生は言語聴覚士が画像と神経心理学的な症状とを対応づけられることが重要であると報告され,春原先生は症例により問題点も異なり,対応も異なるという前提に立って問題点の抽出を的確に行い,情報を統合すること,個別に対応の順序を考えていくことの重要性を強調されています.諏訪先生は適切に次の過程につなぐために,医療における仕組みの検討と同時に言語聴覚士としては軽快する症状と残存する症状の見極めが重要であると述べられ,布施先生は摂食・嚥下障害の場合には原因の確認と障害タイプの確認が重要であること,意識障害がある場合には症状について繰り返し評価すること,小さな変化を見逃さないことが重要であると報告されています.様々な要素が絡み合い,対応の難しい急性期であっても,評価,対応,先への継続のいずれにおいても,根拠に基づくより具体的で適切な対応が必要となっています.
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