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編集後記
立石 雅子
pp.164
発行日 2006年12月15日
Published Date 2006/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100097
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木枯らし第1号の声を聞き,町では急にコート姿が目立つようになりました.言語聴覚研究3巻3号をお届けします.
原著論文は2編です.1編は脳血管障害により球麻痺となり,継続する摂食・嚥下障害に対しバルーン法を訓練として導入し効果を測定した結果,自然治癒の可能性の低い慢性期の摂食・嚥下障害患者で効果が認められたことからバルーン法の有用性を検証した論文です.18例という対象についての実証的な論文です.各臨床領域においてこのような実証的な論文の増加が望まれます.もう1編は視床出血後の純粋失書に対し,ワープロを訓練に用い書字障害の改善が得られた症例の報告です.書字には拒否的であった症例の仮名の書字障害が改善し,キーボードの中から目標キーを選択することが有効であったと考察しています.臨床の場では身近にあるものを有効利用することも重要です.
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