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編集後記
立石 雅子
pp.54
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100071
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言語聴覚研究第3巻1号をお届けします.創刊号の発行から既に1年余が経過し,本号は通算で第5号となります.
本号は第6回日本言語聴覚学会におけるシンポジウム「根拠に基づいた言語聴覚療法:evidence based practice」のシンポジストの先生方に講演の内容について寄稿していただきました.種村純先生は研究方法によるエビデンスのレベルの評価の枠組みを解説され,藤野博先生は小児の領域における単一事例実験デザインを用いた結果を報告され,城本修先生は音声治療の領域,小嶋知幸先生は失語症の領域において,それぞれevidence based practiceの歴史と課題を解説されています.言語聴覚障害分野におけるエビデンスが十分でないことは誰の目にも明らかです.日々の臨床において個々人がevidence based practiceを心がけることがまず重要です.そのことが専門職として責任を持って言語聴覚障害のある方々に対応していくことであり,言語聴覚療法の質を高めることにつながります.言語聴覚障害のさまざまな領域で,個々の結果を組織的に集積し,治療ガイドラインの策定をしていく必要性を強く感じています.
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