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特集 脊椎脊髄先天性疾患・奇形の概念と画像診断
二分脊椎に関連した小児脊椎脊髄疾患の概説—分類と検査ポイント
A Brief Outline of Spinal Dysraphism
古川 理恵子
1
Rieko FURUKAWA
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児画像診断部
1Department of Pediatric Medical Imaging, Jichi Children's Medical Center Tochigi
キーワード:
二分脊椎
,
spina bifida
,
脊椎閉鎖不全
,
spinal dysraphism
,
脊髄係留
,
tetherd cord
Keyword:
二分脊椎
,
spina bifida
,
脊椎閉鎖不全
,
spinal dysraphism
,
脊髄係留
,
tetherd cord
pp.567-573
発行日 2022年2月28日
Published Date 2022/2/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201694
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はじめに
二分脊椎は脊椎の椎弓の非癒合のみを指す場合もあれば,脊髄髄膜瘤のような開放性脊椎破裂を指すこともあり,多彩な病態が含まれる.その多くは胎児期の神経管形成のある時期に異常が起こることで発生すると考えられているが,複数の病態が絡み合うことがあるため,いまだに分類の標準化が難しい分野である1,5,8,9).さらに,病態を指す用語も診療科によりさまざまなものが使われている.たとえば「二分脊椎(spina bifida)」は,本来は脊椎の後方成分(椎弓や棘突起)の非癒合のみを指すものであるが,臨床では脊椎脊髄の先天奇形を表すために用いられることが多い9).今回も便宜的に二分脊椎を用いることにする.その他,二分脊椎と同様に用いられている語として,脊椎閉鎖不全(spinal dysraphism),脊柱管(神経管)癒合(閉鎖)不全などがある.これらは胎児期の神経管発生の異常による病態であることを表現している.また,開放性,閉鎖性,囊胞性,潜在性といった用語は体表の状態に言及する場合であり,臨床上は開放性と囊胞性が同義,閉鎖性と潜在性がほぼ同義として使われている.
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