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Key Questions
Q1:COVID-19による感染拡大はこどもや作業療法にどのような影響があったか?
Q2:感染症発生時ではこどもや保護者にどのような影響がみられるか?
Q3:感染症発症時のこどもや保護者への支援において配慮する点は?
はじめに
2020年(令和2年)に新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の流行が始まり3年半が経過しようとしているが,これらの流行は,普段の日常生活のみならず,小児医療やリハビリテーション,入院しているこどもたちの生活にも多大な影響を与えた.
また,当センターでは毎年,COVID-19のみならず,インフルエンザ,胃腸炎ウイルス,RSウイルス,水痘・帯状疱疹,手足口病等々の流行性のウイルスが発生している.感染症発生時には2次感染が起きないよう,感染制御室を中心に連携をとって対応している.当センターの特徴として,神経系疾患や腫瘍系および血液疾患等の抗がん剤や免疫抑制剤使用中で,易感染性の患者が多く入院している.通常軽症の経過をたどるウイルス感染症であっても致死的な問題へとつながりやすく,初期から抗菌薬を使用せざる得ない状況にもある.また,感染症発生時には,2次感染防止のため,厳重な隔離が必要とされ,濃厚接触者のこどもも感染症予防薬の投与や隔離が行われる.
感染症の発症は,コロナ禍の制限に加え,さらなる活動制限を強いられることになる.作業療法では,こうした状況や制限の多い環境下でも,物品や環境を工夫し柔軟に対応しながら,あそびを通して身体機能,認知機能,社会的な側面の発達を促してきた.本稿では,COVID-19が与えた当センターにおけるこどもへの影響や作業療法の変化,さらには,感染症発症時のこどもへの支援について述べていく.
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