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書評 —キールホフナーG(著),山田 孝(監訳)—「作業療法実践の理論 原書第4版」
長谷 龍太郎
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.64
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200108
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本書は,作業の科学に偏重する傾向から,作業「療法」に振り子を戻すという書き出しで始まり,読者は書名が『作業療法実践の理論』となったゆえんを知る.全体は4部構成であり,初版から各章の流れは受け継がれ,章をまとめた部構成がされている.各部を単純化すると,理論の概観,実践モデルの類型,関連知識,そして理論の利用となる.
読者は,第1部を読み,臨床例に共感を覚えながら「作業には人々を変える可能性がある」という表現に同意をするであろう.しかし,作業療法の知識の構造を示されると,頭を抱えるかもしれない.本書のポイントは,「作業療法の理論は変化をしてきました.作業療法の理論は,概念と焦点と価値から構成されています.この視点で理論の変化を知り,概念的実践モデルの比較ができるのです」という著者の意図をくみ取ることである.もし,知識の構造の部分で混乱した方は,本文の実践例と実践モデルを読み進めることで,実践に共感できると信じている.
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