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編集後記
須田 康一
pp.516
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426200860
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2か月に1回開催される本誌編集委員会は,2018年から医学書院会議室とWeb会議のハイブリッド形式で開催されています.当初は,編集委員が現地に一堂に会することによって生まれる熱気や温度感が感じられなくなることに不安や物足りなさを感じましたが,慣れてくると,移動しなくて済む利便性はもちろんのこと,電子資料を共有できたり,クリアな音声と適度な距離感から討議が活発になったりと,Web会議ならではの利点にも気づくようになりました.
コロナ禍の長期化により,学会や研究会もWeb化が急激に進んでいます.お盆に開催された第120回日本外科学会定期学術集会では,管理された遠隔地からご献体を用いた手術手技研修(cadaver surgical training:CST)に参加する「remote CST」が日本外科学会CST推進委員会公認で初めて実施され,その概要がWeb配信されました.昨年,日本外科学会には遠隔手術実施推進委員会が設置され,遠隔手術のガイドライン策定に向けた活動が始まっています.本年8月には,本邦初の実用型内視鏡下手術用ロボットhinotoriTM サージカルロボットシステム(メディカロイド社)が泌尿器科領域でPMDA承認を取得し,国産ロボットを用いた遠隔手術プラットフォームの開発も急ピッチで進んでいます.Web配信されるスライドや動画,音声の著作権保護,遠隔手術トレーニングにおけるご献体に対する礼意,遠隔手術における患者個人情報保護や責任の所在など解決すべき課題も多々ありますが,激変する時代の流れとテクノロジーの進化に適応しつつ,本誌ともども新しい外科医療の構築に微力ながら貢献したいと考えています.
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