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編集後記
須田 康一
pp.874
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426200347
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本誌は1996年に創刊され,内視鏡外科手術の黎明期から20年にわたり本邦における低侵襲手術の領域横断的発展に大きく貢献してきました.このたび由緒ある本誌編集委員に加えていただき,折に触れてその責任の重さを感じています.
先日,厚生労働省の事業に日本内視鏡外科学会として支援を行った「ベトナム内視鏡外科医向け胃癌手術研修(講義,アニマルトレーニング)」に参加しました.聞くところによると,ベトナムでは戦争の影響で1975年以降の生まれの世代が主戦力となっているそうで,比較的若い先生を中心とした活気溢れる研修でした.その中で,「大網切除,網囊切除はどのように行うのか?」,「胃下部進行癌根治手術の際,再発時の閉塞性黄疸発症予防目的で#12bリンパ節郭清を臨床試験として行っているがどう思うか?」など,以前にロシアやタイの内視鏡外科医を対象とした研修に参加した時と同じく,進行胃癌に対する低侵襲手術のエビデンスやノウハウを問う質問を多数受けました.これらの国では,胃癌の癌部位別死亡率がベトナムやロシアでは国内第3位,タイでも第4位(Globocan 2012)と高い一方,本邦のようなmass screening programがなく内視鏡診断・病理診断が発展途上にあり,最新のテクノロジーを駆使した進行癌に対する低侵襲手術のニーズが高まっています.
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