徹底分析シリーズ 穿刺に伴う合併症への緊急対応
巻頭言
森下 幸治
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1東京医科歯科大学医学部附属病院 救命救急センター/医療安全管理部
pp.1217
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201535
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- 文献概要
麻酔・集中治療・救急にかかわる医師であれば,血管や体腔の穿刺を行う機会は多いと思います。これらの手技は患者の病状をよくするために行いますが,手技に伴って思わぬ合併症を引き起こし,患者を苦しめてしまうことさえあります。合併症に対する対応は,通常,先輩医師たちから教わるものですが,急に発生することが多く,その場に経験豊富な先輩が立ち会っていない可能性もあります。そのため,手技を行う医師は,患者と自分を守るために事前に十分な知識を得ておくことが重要です。
本徹底分析シリーズは,さまざまな血管穿刺,体腔穿刺に関して,臨床経験が豊富で,多くの研修医たちを指導し,合併症の修羅場に対応してきた医師たちによって執筆されており,実践的な内容となっています。また,合併症を減らす新たな取り組みとして,中心静脈穿刺の認定制度や,安全に血管・体腔穿刺が行えるようになるために必要なトレーニングのあり方として最新の米国のトレーニングについても取り上げました。さらに医療安全の観点から,緊急穿刺で同意書が取得できない場合や,メディカルリスクマネージメントについても取り上げています。全体を通読していだくことで,今後の穿刺に伴う合併症対策・対応への理解が深まり,多くの患者を救うことになればこの上ない喜びです。
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