徹底分析シリーズ 麻酔のリスクマネジメント
巻頭言
白石 義人
1
1藤枝市立総合病院 麻酔科
pp.307
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102088
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- 文献概要
まず,患者安全を考える
今回の徹底分析シリーズは,4月から麻酔科医として働き始める研修医への啓発を目的に立案しました。日本では通常,「医療安全」と言いますが,医療は決して安全なものではありません。医療者として「患者安全」をまず考えるよう,各々の執筆者が熱い思いを込めています。
「人は過ちを犯す(To err is human)」は有名なフレーズですが,その続きとして「それを許すのは神のみ(, to forgive divine)」とあります。世間では「神の手」を持つ「スーパードクター」がもてはやされますが,そのような医師も,失敗を糧に成長してきたことは間違いありません。多職種の医療者が協働してチーム医療を実践してこそ,患者安全は図られます。研修医もチームの一員であることを自覚して,臨床現場での実践が期待されています。
本文中でも触れられていますが,現在,患者安全のために世界保健機関(WHO)の取組みが多く推奨されています。患者安全のカリキュラムとして,学生版や多職種版があるので,手術安全チェックリストと併せて一読してください。本特集は,研修医のみならず専門医や指導医にも,麻酔のリスクを少しでも減らすために是非お読みいただきたいと強く思っています。
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