徹底分析シリーズ 脳死ドナー発生!臓器摘出術をマネージメントせよ
よりよい臓器摘出術の管理とは―実例76例からみた管理の実際と摘出術にかかわる麻酔科医の果たす役割
西山 謹吾
1
,
廣田 誠二
1
Kingo NISHIYAMA
1
,
Seiji HIROTA
1
1高知赤十字病院 救命救急センター
pp.1064-1070
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101651
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普段の麻酔管理であれば,麻酔の目標は「手術による生体侵襲をいかに抑えるか」に主眼が置かれるが,臓器摘出術の管理の目標は「移植後の臓器生着率に貢献する管理」となる。ドナーはすでに死亡と診断されており,少し酷だが,その体は摘出臓器に酸素を送るために存在すると頭を切り替えなければならない。また摘出術医は,臓器摘出施設とは異なる施設の医師がほとんどで,多臓器摘出ともなれば多施設から摘出チームの医師が集まる。このような特殊な状況のなかで,臓器摘出術は行われていく。
本稿では,読者が摘出術の管理を任されたときのために,イメージトレーニングできるように,実際の手順と,日本で行われてきた脳死下臓器摘出術118例目までのうち,データが集まった76例について紹介する。そして具体的な方法を考えてみたい。
なお,このデータは,平成22年度厚生労働科学研究費補助金 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業(移植医療分野)によって集められたものを使用している。
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