徹底分析シリーズ 脳死ドナー発生!臓器摘出術をマネージメントせよ
脳死ドナー管理―脳死後の生理学的変化を把握した管理で移植可能臓器を減らさない
内藤 宏道
1
,
萩岡 信吾
1
,
森本 直樹
1
Hiromichi NAITO
1
,
Shingo HAGIOKA
1
,
Naoki MORIMOTO
1
1津山中央病院 救命救急センター
pp.1052-1056
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101649
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
2010年7月に改正臓器移植法が施行され,本人に拒否の意思表示がなければ家族の同意で脳死判定,臓器提供が可能となった。ドナー数は十分とはいえないが,増加している。これまで臓器提供の経験がない施設でも,今後,提供の機会が増える可能性が考えられる。
筆者の勤務する津山中央病院救命救急センターでも,法改正後,脳死ドナーからの臓器提供を経験した。レシピエントの周術期管理は限られた病院で行われている一方,脳死ドナーは多くの臓器提供可能施設で発生することが考えられる。集中治療医は脳死ドナーの管理について熟知しておく必要がある。
法的脳死判定から臓器摘出までには,社会的,医学的な理由で時間がかかる。しかし,脳死に陥ると,全身状態は不安定となり,適切に管理されなければ摘出前に臓器が移植不可能となる場合もある。本稿では,脳死ドナーの臓器摘出術前の管理について記載する。
Copyright © 2012, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.