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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Brenner DJ. Medical imaging in the 21st century-getting the best bang for the rad. N Engl J Med 2010 ; 362 : 943-5.
Article:
Patel MR, Peterson ED, Dai D, et al. Low diagnostic yield of elective coronary angiography. N Engl J Med 2010 ; 362 : 886-95.
定期健康診断の季節である。血液検査や胸部X線写真,少し年齢がいった方は心電図検査に腹囲測定など,いろいろと検査を受けられていることと思われる。私たちは,自然界から放射線を受けるほか,医学的な理由で放射線被曝を受けている。Editorialによれば,米国において過去30年間のうちに放射線被曝は2倍になったことや,その増加のほとんどは医学的な被曝であることが述べられている。特に増加しているのは,心臓イメージングである。心筋灌流シンチグラフィは門番(gatekeeper)的な役割を果たしており,陽性であった場合には冠動脈造影が行われる。米国では900万件の心筋灌流シンチグラフィが行われ,放射線被曝の最大の理由となっている。それに代わる診断技術が,64列マルチディテクターCTであるが,放射線被曝を受けることは同様である。臨床データや専門的判断にもとづく判断ガイドラインを使用することにより,侵襲的検査は減少すると考えられるが,広く普及しているとはいえない。救急患者におけるCT検査も,その44%が不要であったという報告もある。
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