- 有料閲覧
- 文献概要
The New England Journal of Medicine
Editorial:
Friedman MJ. Prevention of psychiatric problems among military personnel and their spouses. N Engl J Med 2010 ; 362 : 168-70.
Article:
Holbrook TL, Galarneau MR, Dye JL, et al. Morphine use after combat injury in Iraq and post-traumatic stress disorder. N Engl J Med 2010 ; 362 : 110-7.
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,災害や事故,戦争などの急性トラウマにより生じうる。診断は,急性トラウマを受けてから1か月以上にわたり,精神的不安定による恐怖や無力感,睡眠障害,トラウマの原因になった障害,関連する事物に対しての回避傾向,そして,フラッシュバックといわれる事故・事件・犯罪の目撃体験等の一部や,全体にかかわる追体験や悪夢などがある場合につけられる。PTSDの発症には,海馬や扁桃体などの異常が関与しているとされる。ラットの扁桃体にノルアドレナリンの微量注入を行うと,恐怖状態を増強することや,その反応がプロプラノロールによりブロックされることが知られている。アドレナリン性活性化は,扁桃体や青斑核においてモルヒネがμ受容体に作用することでも抑制されうることも示されている。また,シナプス前抑制性α2ノルアドレナリン性受容体もμ受容体と相乗的に作用して,扁桃体と青斑核におけるアドレナリン性活性化を抑制することも示唆されている。
Copyright © 2010, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.