症例検討 電解質異常とその治療(その1)
巻頭言
内藤 嘉之
1
1明石医療センター 麻酔科
pp.253
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100887
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- 文献概要
―電解質異常に賢く対処する―
電解質異常を認めても,私はたいていスルーしてしまう。電解質異常の病態は複雑であり,原因特定と根本的治療に時間と手間がかかる,周術期は対症療法で乗り切れることが多い,などが主な理由である。もちろん電解質異常を甘くみると思わぬ冷や汗をかく始末に陥ることは,麻酔科医として十分承知している。しかし専門家にはまた,コストパフォーマンスの意識も大事である。見きわめをつけて的確にスルーする一方で,無知や油断ゆえに見逃し,電解質異常につまづいて転ぶことがないようにする。このような意図で,電解質異常の症例検討を企画した。
まず,基礎医学の視点からのレビューをお願いし,臨床の背骨となるべき正確な知識が得られるようにした。次いで具体的な病態をいくつか想定し,麻酔科医以外のベテラン医師にも依頼して,臨床的な考え方と対処法を記していただいた。
では,電解質異常に賢く対処するために,私と一緒にお勉強を始めましょう。
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