徹底分析シリーズ 酸塩基平衡異常
巻頭言
内藤 嘉之
1
1明石医療センター 麻酔科
pp.1123
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100810
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■徹底分析で温故知新
私と酸塩基平衡の間には,長~い歴史がある。生命という観点からは,この関係は数億年以上にさかのぼる。個人のレベルでも,誕生から今日まで生き延びてこられたのは,私の酸塩基平衡が上手く保たれてきたお陰である。さらに医師としては,学生のころから四半世紀以上にわたって,19世紀初頭の産物であるHenderson-Hasselbalchの式にお世話になっている。
これだけ古くて付き合いも長いと,慣れが生じてくる。飲みすぎて酸塩基平衡に多少の異常が生じても,麻酔は何とかこなせる。また,ショック患者が重篤なアシドーシスを示しても,それほど慌てなくなった。
本徹底分析では,このような慣れに対してもう一度,日々の臨床の視点からメスを入れていただいた。手術室の麻酔だけではなく,救急救命の現場や呼吸不全を治療する立場から,それぞれの語り口で具体的に解説していただいた。筆者は,私がその顔と臨床を直接見ることのできる方ばかり。いずれも,臨床に直結した内容が十二分に盛り込まれている。酸塩基平衡の多様な世界を,どうぞお楽しみください。
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