徹底分析シリーズ 気道確保のストラテジー
小児の気道確保が困難な症例の発見法とその特異度・感度
広木 公一
1
Koichi HIROKI
1
1神奈川県立こども医療センター 麻酔科
pp.30-38
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100214
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difficult airwayの取り扱いについては,1993年の米国麻酔学会のPractice Guidelines for Management of the Difficult Airway(以下,ASAガイドライン)が最初であるが,この時点では成人についてのみであった。北米でのラリンジアルマスク(LMA)の使用経験から1998年に改定され,この頃から小児挿管困難患者でのLMAの報告も散見する。
2003年のASAガイドラインで積極的なLMAの使用の推奨と,基本的には小児でも同一のガイドラインを用いることになった。しかし,現実には成人と小児のdifficult airwayでは,表1のような差異があり,成人のガイドラインをそのまま適用することは難しい。また本邦では,一般病院でのこの種の症例の少なさや小児用の器具の準備がないことと,トレーニングの困難さも加わる。年少児では成人に比較して無呼吸により低酸素をきたしやすく,臨床の場で(たまたま!)遭遇する麻酔科医のストレスは大きいと思われる。
以下本稿では,小児の気道確保が困難な症例に対するストラテジーを述べる。
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