巻頭言
研究結果の発表
田中 潔
1
1鳥取大学,薬理学
pp.271
発行日 1962年12月15日
Published Date 1962/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906255
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「研究結果をまとめたり発表したりしないで,ただ研究だけしていてよいならば,どんなに幸福であろう」とは,ある著名な研究者の言葉であるが,発表しない研究は道楽というもので,他人の金でする研究には許されないことである。たとえ私費でまかなう道楽的研究であつても,社会道徳的には発表の義務があろう。
私はここで研究発表をしない人を責めるつもりはなかつた。そういう人は現在の日本医学会にはまず見当らないくらいまれであるから問題でない。反対に必要以上に発表したがる傾向が問題なのである。
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