通信
フランス通信
大塚 正徳
1
1東京大学医学部薬理学教室
pp.366
発行日 1956年8月15日
Published Date 1956/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905905
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11月8日からCoraboeufと一緒に仕事をすることになりました。彼は30を少し超した位,単純な,活動的な,非常に好人物の男です。何でも思いついたことを深く考えずに,どんどんやつて見て,うまくいつてから考えるという典型的なフランス気質で,非常に親切です。若いが,フランス生理学界の第一線であるといえると思います。Monnier教授は,まだ実験していますが,もう過去の人の様に思われます。……
結局フランスの科学者が不遇なのは,Curie,Claude,Bernard以来の伝統で,今日のフランスの生理学が,日本に勝るとは決していえないと思います。しかし,フランスの研究者が惠まれないといつても,大抵車で通い,休暇は田舎で絵をかいて過すといつた,日本よりは数等上の生活の様です。……(1955,12,20パリ)
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