Japanese
English
特集 核内蛋白質
核孔複合体
Nuclear pore complex (review)
藤田 道也
1
Michiya Fujita
1
1浜松医科大学生化学第二講座
pp.548-553
発行日 1989年10月15日
Published Date 1989/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905386
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岩波の生物学辞典(第三版)では核孔(nuclear pore),核膜孔,細孔(pore),環,環紋(annulus)などの呼び名が挙げられている。また,Krstićの組織学辞典1)ではnuclear poreの見出しの次に(同義語として)nucleo-pore,pore complex,porus nuclearisが挙げられていて,これらは核孔または孔複合体を意味している。核孔は核膜に開いた孔であって,それ自体は空虚である。それに対して孔複合体は孔を形成している実体を意味している。したがって,両者は厳然と区別されるべきである。たとえば,"In the nuclear pores,only fibrillarmaterial is visible."2)という例ではnuclear poreが本来の意味で用いられている。しかし,"…an array ofspecialized structures termed nuclear pore"3)の「核孔と呼ばれる特殊な構造物」は核孔よりむしろ複合体を意味していると解釈される。逆に,"The nuclear porecomplex…serves as a pathway"4)という例では複合体が核孔の意味で用いられていると言っていいであろう。
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