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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
活性制御試薬
ホルボールエステル関連試薬
ホルボールエステル
Phorbolester
佐野 公彦
1
Kimihiko Sano
1
1神戸大学医学部小児科
pp.401-402
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905326
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■特性および構造
ホルボールエステルはクロトン油から分離された強力な発癌プロモーターであり,多彩な生物学的作用を有する1)。ホルボールエステルはジテルペン核を骨格に持つ物質でその側鎖の構造によって様々な種類が存在する。中でももっとも強力な発癌プロモーター作用を有し,汎用されているホルボールエステルはphorbol 12-myristate-13-acetate(PMA)であり,TPA(12-O-tetradccanoyl Phorbol-13-acetate)とも呼ばれる。TPAの構造を図1に示す。TPAの実験式はC36H56O8で,分子量は616.8である。他のホルボールエステルの中でphorbol-12,13-dibutyrate(PDBu)はTPAとはほぼ同様の活性を持ち,3Hで標識されたPDBuはホルボールエステルのレセプターアッセイに使用される。一方,4-α-phorbol-12,13-didecanoatcなどは発癌プロモーター作用はなく,また,他の生物学的活性も見られない。ホルボールエステルの中で生物学的活性のあるものと活性のないものの一部を表1に示した。
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