Japanese
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特集 細胞骨格
総説
細胞骨格とコネクチン
Cytoskeleton and connectin
丸山 工作
1
Koscak Maruyama
1
1千葉大学理学部生物学教室
pp.25-29
発行日 1981年2月15日
Published Date 1981/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903439
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Ⅰ.コネクチンとは何か?
100年も前から,生理学者は,筋肉には収縮性要素のほかに弾性要素があるものと仮定していた。収縮性要素については,1940年代にアクチン,ミオシン系が確立し,ついで,滑り説が1954年に提出された。
弾性要素に関しては,筋細胞をおおっているコラーゲン膜の関与が一時いわれたが,長い間無視されていた。1954年,慈恵医大の名取は,彼の手になる細胞膜をはがしたNatori's skinned fiberを用いて,弾性構造の存在することを実証した1)。すなわち,skinned fiberを引っぱると,張力を発生し,放せばもとに戻ってゆく。滑り説の基礎となっている筋原線維の構造では,重なり合いが消失するまで引っぱったのでは,もとに戻ることを説明できない(図1A)。何かとなりあうZ線間をつなぐ弾性構造が存在するはずというのが名取の指摘で,彼は,"内部弾性膜"とよんだ。また,単離した筋原線維から,ミオシンやアクチンを抽出しても,Z線は,ばらばらになることはない。すなわち,何かでとなりあうZ線は連結されている(図1B)。このことは,HuxleyとHansonによって1954年に言及されていた2)。しかし,彼らは,1955年以後,Z線をつなぐ構造については一言もふれようとはしなかった。
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