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実験講座
マイクロアレイ技術を用いた発現プロファイルの解析
Expression profile analysis using microarray technology
田中 敏博
1
,
中村 祐輔
1
Toshihito Tanaka
1
,
Yusuke Nakamura
1
1東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターゲノムシークエンス解析分野
pp.74-79
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902468
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ヒトのゲノムは30億塩基対からなり,総計10万種類に及ぶ遺伝子をコードしていると考えられている。この中で,機能解析の行われている遺伝子はせいぜい8千に過ぎず,残りの大半は全くキャラクタライズされていないのが現状である。一方,ヒトゲノム計画の進行につれ,機能未知の遺伝子もしくは遺伝子断片の塩基配列が数多く判明してきている。例えば,米国のNational Centerfor Biotechnology Information(NCBI)にUnigeneというデータベースがある(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/UniGene/)。これは,Gen-Bank DNAデータベースに登録されている塩基配列のうちヒト由来のものだけを集めて,互いにホモロジー検索を行い,一致する部分を持つものを同一遺伝子と判断し,クラスター(群)を作るものである。このデータベースは日々更新されており,1999年10月現在,約8万のクラスターが存在している。多少の重複はあると思われるが,10万種類あるといわれている遺伝子のうちすでに8割のものについては,少なくともその一部の塩基配列が判明していることになる。
このヒトゲノム計画の進行状況をふまえると,これからは状態の差異,例えば臓器の違い,刺激に対する反応の違いなどを,最終的には全ての遺伝子セットの発現量の変化の総和として記述することができるようになると思われる。
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