特集 モチーフ・ドメインリスト
5.細胞外基質
コラーゲンらせんドメイン
水野 一乘
1
,
林 利彦
1
Kazunori Mizuno
1
,
Toshihiko Hayashi
1
1東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系
pp.476-477
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902340
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[アミノ酸配列]1,2)
-Gly-X-Y-の3残基からなる配列が繰り返す一次構造を有することがコラーゲン3本鎖らせんを形成する上で必要な条件である。XおよびYの位置は任意のアミノ酸である。恒温動物では,X,Yの約20%はProのコードになっており,コラーゲンらせんドメインのアミノ酸組成はGlyとProだけで5割を越す。Yの位置のProのほとんどは,酵素プロリルヒドロキシラーゼによって,4-ヒドロキシプロリン(Hyp)に修飾されている。3個目ごとのGly,十分な量のPro(Hyp)がコラーゲンらせんドメイン構造の形成および熱安定性上の必要条件である。X,Yの位置にPro以外の側鎖がどのように配列するかが,多様なコラーゲンタンパク質の3本鎖らせんドメインの性質,機能を決定する。Yの位置のLysは,酵素により5-ヒドロキシリジンに翻訳後修飾をされることがあり,さらにそれぞれ特異的な酵素によってガラクトース,そこにさらにグルコースが付加して,α-D-グルコピラノシル-(1→2)-β-D-ガラクトピラノシルヒドロキシリジンになる場合がある(Ⅳ型,Ⅴ型コラーゲンに多い)。正電荷の側鎖はYの位置に,負電荷の側鎖はXの位置に存在する頻度が高い。コラーゲンらせんドメイン全体として,(Arg+Lys)>(Asp+Glu)であり,等電点は塩基性側にある。疎水性のアミノ酸側鎖,特にTyrおよびTrp,が全アミノ酸に占める割合が低い。
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