Japanese
English
話題
「知の遺伝子」国際ワークショップ報告記―サルの遺伝子探索から知を探る
Report form GEMINI workshop
貫名 信行
1
Nobuyuki Nukina
1
1理化学研究所脳科学総合研究センター
pp.252-253
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902278
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
3月14,15日にわたり「Genes and Minds lnitiative Workshop on Ape Genomics(GEMINI)知の遺伝子」国際ワークショップが理化学研究所ゲノムセンター,脳科学総合研究センター,国立遺伝学研究所共催で行われた。このワークショップは,ヒトゲノムの全シークエンス完了というゲノムサイエンスの到達点からさらに何をすればよりヒトを理解することができるのか,という問題意識に基づき,主にゲノム科学と脳科学の研究者が集まって意見を交換した。
ヒトがヒトたる所以はやはりその知的活動能力であろうということから,ヒトの遺伝子をチンパンジーの遺伝子と比較することにより,知の遺伝子を同定できるのではないかというのがゲノムセンターの榊らの問題意識である。彼らはチンパンジーのゲノムのシークエンスを行うためにBACのライブラリーのマップを作成し,ショットガン・シークエンスを行う予定であるという。やはりゲノムセンターの藤山らは3,000のSTSに関してヒトおよび霊長類について検討し,およそ1-2%のSTSがヒト特異的であったという。遺伝研の斉藤らは類人猿ゲノム計画Silverを組織しており,ヒトとチンパンジーのヌクレオチドレベルの違いは1.5%,ゴリラは4%と見積もっている。こういった類人猿のゲノムを比較することによりヒト特異的な遺伝子の同定につながると考えられる。
Copyright © 2001, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.