Japanese
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特集 自然免疫における異物認識と排除の分子機構
ガレクチンファミリーと発生および生体防御
Galectin family in animal development and self-defence systems
中村 隆範
1
,
西 望
1
,
東海林 博樹
1
Takanori Nakamura
1
,
Nozomu Nishi
1
,
Hiroki Shoji
1
1香川医科大学医学部内分泌学講座
pp.228-233
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902118
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ガレクチンはかつてS型レクチンと呼ばれたβ-ガラクシド結合を有する糖鎖構造を認識する動物レクチンの総称で,無脊椎から脊椎動物に広く分布し,一群のファミリーを形成している。ガレクチンファミリーは分子量14-36 kDaからなる一本鎖可溶性蛋白質で,動物種によって様々な名称がつけられている。しかし哺乳類ガレクチンについては,ガレクチンという正式な名称と発見順に番号が与えられている(galectin-1~10)。ガレクチンの生理的役割については現在もなお不明な点が多い,というよりむしろ明確な答えが得られていないのが現状であるが,細胞―細胞,細胞―細胞外マトリックス間の接着や細胞増殖,細胞死(アポトーシス),癌の浸潤・転移,免疫系の調節などに関与しているほか,発生・分化との関連が想定されている。ガレクチンはβ-ガラクトシド結合を持つ単純2糖であるラクトースによって各種動物組織や細胞から容易に抽出され,ラクトースあるいはアシアロフェツインを固定化したアフィニティーカラムによって精製されている。最近のゲノム研究の進展によって,多数の動物遺伝子の構造が明らかにされているが,例にもれずガレクチンファミリーに属すると考えられる候補遺伝子も続々と同定されている。
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