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特集 開口分泌のメカニズムにおける新しい展開
開口分泌現象のイメージング―共焦点レーザ顕微鏡および走査電子顕微鏡観察
Imaging of exocytosis by confocal laser and scanning electron microscopy
瀬川 彰久
1
,
Alessandro Riva
2
,
山科 正平
1
Akihisa Segawa
1
,
Alessandro Riva
2
,
Shohei Yamashina
1
1北里大学医学部解剖学教室
2Department of Cytomorphology, University of Cagliari
pp.212-218
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901195
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開口分泌は血液細胞,内・外分泌細胞,神経細胞など多くの細胞に普遍的にみられる分泌様式で,分泌顆粒(小胞)が形質膜と融合・除去を繰り返しながら顆粒内容物を放出する,ダイナミックな細胞活動である。形態学的にみて分泌現象のハイライトともいうべきこの過程は,電顕観察を主体に解析されてきたが,近年ではビデオ顕微鏡や共焦点レーザ顕微鏡による生きた細胞の観察法が確立され,また電気生理学の導入などにより,時間軸を基盤にした解析が可能になってきた。
筆者らが,共焦点レーザ顕微鏡を用いて生きた細胞の開口分泌観察法を開発し1),本誌でその知見を解説してから6年経過した2)。その後,生理学および生化学的解析が著しく進み,開口分泌の諸過程(docking,priming,fusion,release,removalなど)(図1)や,SNARE仮説に代表される分子機構の実体などが詳細に“解剖”されつつある3,4)。形質膜と分泌顆粒膜の相互作用が分子の言葉で語られるようになった今,その形態的実体を,新しい視点でふたたび問い直さねばならない時代になったように思われる。
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