Japanese
English
特集 老化
細胞老化に及ぼす細胞成長因子の作用
Effects of Growth Factors on Cellular Aging
太田 敏郎
1
,
加治 和彦
1
Toshiro Ohta
1
,
Kazuhiko Kaji
1
1静岡県立大学大学院生活健康科学研究科老化制御研究室
pp.553-557
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901149
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
先進国では平均寿命が年々延び,全人口にしめる老人の割合は急激に増加する傾向にある。ここから,老化の過程と,疾病や傷害にかかりやすくなるという老齢の影響を,よりよく理解する必要が急速に高まっている。
Hayflickは,1960年代初頭に「正常ヒト線維芽細胞は無限に増殖できず,有限回の分裂回数ののち分裂能力を失う,これは元来体細胞がもっている性質なのだ」という仮説を提唱した(Hayflickの限界仮説)1,2)。この仮説から,in vitroでの継代培養でみられる分裂停止は,個体の老化を細胞レベルで再現しているもので,細胞は個体を離れてin vitroの培養系でも分裂回数に応じた生理学的変化(in vitroにおける細胞老化)を起こしている,というモデルが出されてきた。
Copyright © 1996, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.