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実験講座
EELS電顕法
Electron Energy-loss Spectroscopic Imaging
水平 敏知
1
Vinci Mizuhira
1
1東京医科歯科大学
pp.237-245
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901089
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光顕レベルで細胞内構成元素の分布を見る方法の中でも,最近のCa2+イオンの細胞内動態を刻々記録できる特殊蛍光色素と蛍光顕微鏡および関連解析電子機器の発展は目覚ましいものがある。一方,元素分布を電顕レベルで調べる方法としては,1)イオンマイクロアナライザー(IMA),2)電子プローブ微小部X線分光法,特に非分散型検出器を用いてのEDX分析法,3)非弾性散乱電子線の有する各元素特有のエネルギー損失値(eV)を求めて元素を特定すると同時に,その分布像を得ることのできる電子エネルギー損失分光法(electron energy-loss spectroscopy;EELSその画像化EELS-imaging)などがある1,2)。これらのうち1は生物試料への応用に難点が多い。2は透過または走査型電顕に装置し,多くの普及を見ているが,真に使いこなした信頼できる報告は少ない。元来,生物試料は非生物のそれに比べて,70-80%の水分の中に軽元素が極めて疎な密度で分布するものを凍結乾燥または固定切片としているもので,このような試料が対象では局所に元素密度がよほど高くない限り必ずしも満足のゆく結果は得にくい。著者は2の生物試料への開発・応用に携わってきた経験から1-3)早くから3の応用に着目してきたが,わが国ではまことに残念なことながらメーカー側の非協力によって20余年間進展を見なかった4-8)。
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