Japanese
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特集 カルシウム動態と細胞機能
肥満細胞におけるカルシウムイオン動態
Calcium Signaling during Degranulation in Mast Cells
片桐 聡
1,2
,
竹中 洋
2
,
髙松 哲郎
1
Satoshi Katagiri
1,2
,
Hiroshi Takenaka
2
,
Tetsuro Takamatsu
1
1京都府立医科大学第二病理学教室
2京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.135-139
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901073
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肥満細胞がエフェクターとして重要な役割を果たしているI型アレルギー反応では,肥満細胞の細胞膜表面に存在するIgE受容体に結合したIgEが抗原によって架橋されると細胞内酵素の活性化が起こり,すでに生成され貯蔵されていたヒスタミンやヘパリンなどのいわゆるpreformed mediatorが遊離し,さらに新たにロイコトリエンやプロスタグランディンなどのnewly generated mediatorが産生される。このうちrapid phaseに働くヒスタミンやヘパリンなどpreformed mediatorの遊離は,exocytosisによって起こり,その際細胞内カルシウムイオン濃度([Ca2+]i)の上昇が重要な役割を担っていることが明らかになっており1),その分子レベルでの機構の解明が進んできている。
抗原による受容体刺激によりホスホリパーゼCの活性化が起こり,イノシトールリン脂質代謝経路でイノシトール1,4,5-三リン酸(IP3)が産生される。IP3が細胞内Ca2+ストアである小胞体からカルシウムイオンの放出を促すという過程2)以降,どのような機序で脱顆粒が生じるかに関して,脱顆粒前後の過程での細胞内カルシウムイオンの時間的空間的分布がどのように変化するか,またこの変化によりどのように細胞骨格は動くか,共焦点レーザ顕微鏡による私たちの観察を中心に論説したい。
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