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特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
プロテインホスファターゼ2Aのサブユニットと金属依存性
Divalent cation requirement of protein phosphatase 2A
武田 誠郎
1
,
西藤 泰昌
1
,
碓井 裕史
1
Masao Takeda
1
,
Yasumasa Nishitoh
1
,
Hirofumi Usui
1
1広島大学医学部生化学第2講座
pp.113-117
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900894
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I.セリン/スレオニンホスファターゼの分類
タンパク質のセリン/スレオニン残基のリン酸化・脱リン酸化は,諸々の細胞機能の制御機構として重要な役割をはたしている。脱リン酸化を触媒するセリン/スレオニンホスファターゼは,CohenとIngebritsen1)によって1(PP-1),2A(PP-2A),2B(PP-2B),2C(PP-2C)の4型に分類された。彼らはまずHuangとGlinsmann2)が骨格筋に見い出した耐熱性阻害タンパク質によって阻害されるものをPP-1,阻害されないものをPP-2と分類した。PP-1とPP-2は基質特異性が異なり,A-キナーゼでαとβサブユニットがリン酸化されたホスホリラーゼキナーゼを基質とすると,PP-1はβから,PP-2はαから優先的にリン酸を遊離する。オカダ酸は,黒色スポンジの毒素として発見されたセリン/スレオニンホスファターゼの特異的阻害物質であるが,これらの4型のホスファターゼに対して異なった作用スペクトラムを示すので分類にも使用される。オカダ酸のID50はPP-2Aに対して10-9M,PP-1に対して10-7M,PP-2Bに対して10-6Mオーダーであり,PP-2Cおよびチロシンプロテインホスファターゼには作用しない3)。
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