特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅲ.間葉系細胞株
ストローマ細胞
マウス胎児肝:FLS
帯刀 益夫
1
1東北大学抗酸菌病研究所細胞生物学部門
pp.455
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900446
- 有料閲覧
- 文献概要
■樹立の経緯
胎児肝臓は胎児期の主要な造血組織であり,とくに赤血球の造血が盛んである。この赤血球造血の微小環境を構成するストローマ細胞の性状を解析するため,マウス13日胎児の肝臓よりストローマ細胞株を樹立した。13日胎児肝臓を摘出し,RITC80-7培地にて26 1/2-gauge注射針を通して細胞をバラバラにし,同培地で培養する。8日間の培養の後,プロナーゼ処理(室温5分)により回収できる付着細胞を植えつぐ(この操作でマクロファージは回収されない)。以後8週間(8回植えつぎ)ののち,3~4週間のコロニー形成により細胞をクローニングした。得られた細胞株はFetal Liver Stromal=FLS細胞と命名した。
樹立者は東北大学抗酸菌病研究所細胞生物学部門矢内信昭である。
Copyright © 1992, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.