特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅲ.間葉系細胞株
線維芽細胞
ヒト:TIG-1
井出 利憲
1
1広島大学医学部総合薬学科
pp.433
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900429
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■樹立の経緯
東京都老人総合研究所の大橋望彦らによって樹立され,1980年に報告された,日本人の女性胎児(妊娠期5カ月)の肺組織に由来する線維芽細胞である1)。名称は,同研究所の英文名頭文字に由来する。従来,ヒト正常2倍体線維芽細胞の標準系として,WI-38,IMR-90などが利用されてきたが,外国で樹立されたことによる入手の不便や,繁用による集団倍加数*の小さい細胞(若い細胞)の枯渇などの問題があり,これらにかわる日本製の標準系を目指して樹立されたものの一つである。
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