話題
Axonal Transport and the Cytoskeleton国際シンポジウムに出席して
田代 朋子
1
Tomoko Tashiro
1
1群馬大学医学部分子病態学教室
pp.86-87
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900321
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シドニーで開催された国際神経化学会議のサテライトの一つとして開かれたこのシンポジウムは,軸索内輸送に関する国際会議の第3回目であった。1981年にドイツで開かれた第1回,1986年にカナダで開かれた第2回とも,50~70人の小規模な集まりで,全員が会場に宿泊し,文字通り寝食をともにして話しあうことを特徴としていた。今回もこの伝統は忠実に守られており,ケアンズ近郊のキワラ・ビーチに隔離されて,楽しくかつ実りの多い二日半を過ごした。
シンポジウムは,1)軸索細胞骨格,2)輸送モーターと輸送機構,3)順行性および逆行性輸送顆粒,4)軸索内輸送の生理的,薬理的変動,の四つのセッションに分れていたが,看板とは異なる内容の話に変身する人もいて,全体として遅い輸送,すなわち細胞骨格蛋白の輸送と,これに深く関連する神経再生に関する話題が多く,速い輸送に関しては一段落したという現況を表しているように思うので,これらのテーマを中心として以下に紹介したい。
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