Japanese
English
特集 細胞接着
細胞接着と筋原線維形成
Cell-substrate contacts and myofibrin assembly
小宮山 政敏
1,2
,
豊田 直二
1
,
嶋田 裕
1
Masatoshi Komiyama
1,2
,
Naoji Toyota
1
,
Yutaka Shimada
1
1千葉大学医学部解剖学第一講座
2国際武道大学体育学部解剖学教室
pp.95-98
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900020
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長線維状の筋細胞において,それを特徴づける筋原線維(筋細線維)は細胞に張力の発生する方向,すなわち起始から停止に向かって規則正しく走行している。また培養した骨格筋および心筋細胞においても,筋原線維は長管状の細胞においてはその長軸方向,また多角形の細胞においては対角線方向に規則的に分布している。このように筋原線維が規則的に配列するのは,細胞と基質(骨あるいは培養皿)あるいは細胞同士の接着によって細胞内に張力が発生することと深い関係があるのではないかということが想像されている1-4)。
細胞内の張力を直接測定したり,あるいは細胞に張力をかけることにより筋原線維形成の方向性を調べることは難しいが,張力のかかると思われる推定線4)と筋原線維走向との関係を,培養細胞の基質への接着部位を干渉反射顕微鏡(IR)を用いて調べることは可能である。このような実験系を用いて,われわれはニワトリ心筋細胞の培養において細胞接着と筋原線維形成との関係について観察4,5,6)したので,その結果について考察して述べることにする。
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