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連載講座 生命科学を拓く新しい実験動物モデル-1【新連載】
多光子顕微鏡を用いた生きたマウスでの分子活性イメージング
Intravital imaging of molecular activities by multi-photon excitation microscopy
上岡 裕治
1
Kamioka Yuji
1
1京都大学大学院医学研究科病態生物医学
pp.76-81
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200108
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近年,生体イメージング技術の進歩によって,マウスに代表される実験動物で生きた細胞の動態をリアルタイムに観察することが可能になってきた。更に,細胞の形態のみならずタンパク質の局在や活性,あるいはタンパク質間相互作用を生きたマウス生体の中で解析することも可能になっている。特に2光子(多光子)励起顕微鏡を用いた蛍光生体イメージングは,①多色イメージングができる,②目的に応じた遺伝子組換えマウスを利用できる,③細胞レベルの高解像度で断層像撮影できる,といった利点があり,発生,脳,免疫・炎症,癌といった様々な研究分野で近年活躍している。2光子励起顕微鏡を用いて生体イメージングを行う際には,観察対象の細胞やタンパク質を蛍光標識しておき,適切な方法で対象臓器を動かないように固定する必要がある。本稿では,2光子顕微鏡を用いた生体蛍光イメージングにおける技術的な課題とその解決法などを紹介すると共に,蛍光タンパク質を用いて目的タンパク質の活性を測定するFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用したバイオセンサーと,FRETバイオセンサーを発現する遺伝子組換えマウスを用いたイメージング例を紹介する。
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