増大特集 生命動態システム科学
Ⅰ.定量生物学
2.組織・個体の計測
1)神経
(1)神経系の丸ごと観測による神経回路の解析
飯野 雄一
1
,
寺本 孝行
2
,
石原 健
2
Iino Yuichi
1
,
Teramoto Takayuki
2
,
Ishihara Takeshi
2
1東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻
2九州大学大学院 理学研究院 生物科学部門
pp.416-417
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200017
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■ネットワークとしての神経系
神経系は多数の神経細胞からなるネットワークであり,そこで行われる高度な情報処理の機構を理解することは,神経科学の大きな目標である。そのために基本となるのは神経活動の測定であるが,近年,蛍光プローブを用いて神経の活動を可視化する手法(イメージング)が急速に発達し,多数の神経の活動を同時に測定できるようになった。しかし,これまでの研究は脳組織切片や培養神経細胞など平面状に拡がった神経の活動の測定にほぼ限定されており,その結果から全体を推定することは神経科学の研究者にとって隔靴掻痒の感があった。
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