Japanese
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特集 細胞接着の制御
細胞接着に関与する硫酸化糖鎖とその発現調節
Roles of glycan sulfation in regulation of cell adhesion mediated by selectins and siglecs
神奈木 玲児
1
,
佐久間 圭一朗
2
,
井澤 峯子
1
Reiji Kannagi
1
,
Keiichiro Sakuma
2
,
Mineko Izawa
1
1愛知医科大学 先端医学研究センター
2愛知県がんセンター 分子病態学部
pp.265-272
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101451
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近年,セレクチン(selectin)やシグレック(siglec)などの糖鎖認識分子とその糖鎖リガンドを介した細胞接着において,しばしば硫酸化糖鎖が特異的リガンドとして機能していることが知られるようになった。セレクチン・ファミリーの細胞接着分子はは従来,フコースとシアル酸を含有する糖鎖をリガンドとすることが知られ,シグレック・ファミリーの糖鎖認識分子はは主としてシアル酸残基を認識するとされてきた。これに糖鎖リガンドの硫酸化の有無という因子が加わることによって,セレクチンやシグレックを介した細胞間相互作用にいっそうの多様性がみられるようになった。また,これらの分子による細胞間相互作用の調節においても,糖鎖の硫酸化が重要な役割を演じる局面があることが明らかになってきた。本稿では筆者らがこれまで行ってきた大腸癌にかかわるセレクチンやシグレックを介した細胞接着を中心に,細胞接着に関与する硫酸化糖鎖とその発現調節機構の研究の現状について紹介したい。
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