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特集 細胞極性の制御
上皮細胞の極性形成におけるクラシックカドヘリンおよびp120-カテニンの役割
Role of classical cadherins and p120-catenin in the formation of epithelial polarity
鈴木 信太郎
1
,
藤原 美和子
1
Sintaro Suzuki
1
,
Miwako Fujiwara
1
1関西学院大学 理工学部 生命科学科 神経生物学
pp.218-223
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101288
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多細胞生物は様々な機能を果たすためにいろいろな極性構造を有している。なかでも上皮組織における上下方向の極性は多細胞生物の示す代表的な極性の一つである。上皮細胞の極性形成には様々な分子が関与しているが,細胞間接着分子も重要であり,Ca2+依存性の細胞間接着タンパク質であるクラシックカドヘリン(以下カドヘリン)が重要な役割を果たしているものと考えられている。カドヘリンはもともと形態形成過程において中心的な役割を果たしている接着タンパク質として同定されたことから,これまで様々な角度から詳しい研究が行われてきている。その結果,カドヘリンの機能は単なる特異的な接着にとどまらず,タイトジャンクションやデスモソームなど他の接着構造体や上皮細胞の極性の形成・維持,さらには神経系の特異的ネットワークの形成などに関与していることが明らかにされている。しかし,これらの分子的作用機構は必ずしも十分解明されているわけではない。この総説では主に,上皮細胞の極性形成におけるカドヘリンおよびそこに結合するp120-カテニンの役割について概説する。
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