特集 シナプスをめぐるシグナリング
2.トランスポーター
小胞性グルタミン酸トランスポーター
久野 節二
1
,
伊奈 鮎香
1
,
吉田 さちね
1
,
大桃 秀樹
1
,
川野 道宏
1
Setsuji Hisano
1
,
Ayuka Ina
1
,
Sachine Yoshida
1
,
Hideki Ohmomo
1
,
Michihiro Kawano
1
1筑波大学大学院 人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻
pp.400-401
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101023
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
中枢神経におけるグルタミン酸作動系の全体像は,興奮性神経伝達という重要な機能性に反して,この10年でようやく明らかになったに過ぎない。その理由はグルタミン酸作動性ニューロンの決定的なマーカーがなかったことに尽きる。小脳顆粒細胞の研究による脳特異的無機リン酸トランスポーター(BNPI)の発見を端緒に,3種類の小胞性グルタミン酸トランスポーターサブタイプ(VGLUT1,VGLUT2,VGLUT3)が同定され,脳研究の最前線で解析されている。本稿では,最近のわれわれの知見を交え,VGLUTについて概説する。
Copyright © 2010, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.