Japanese
English
特集 SNARE複合体-膜融合の機構
CollectrinとACE2:その機能と異常
Collectrin and ACE2:physiological and pathological roles
和田 淳
1
,
安原 章浩
1
,
槇野 博史
1
Jun Wada
1
,
Akihiro Yasuhara
1
,
Hiroshi Makino
1
1岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学
pp.263-268
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100995
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RAS(renin-angiotensin system)は,angiotensin converting enzyme 2(ACE2)とcollectrinの発見によりその全体像が大きく書き換えられた。これらの分子の生理機能と病態での意義が次第に明らかとなり,新たな知見が次々と得られている。血圧制御,腎臓でのアミノ酸・電解質制御,インスリン分泌など様々な生理現象と関連し,高血圧,心血管病,糖尿病・糖尿病性腎症など様々な病態における新たな治療ターゲット分子でもある。CollectrinはACEやACE2がペプチダーゼ活性によって生理作用を発揮しているのとは異なり,soluble N-ethylmaleiamide-sensitive factor attachment protein receptor(SNARE)複合体の構成成分であるsnapinと結合することによって作用している。本稿では,ACE2とcollectrinの発見,蛋白構造,生理機能,遺伝子改変動物の表現型,治療への応用の可能性について概説するとともに,その腎臓や膵臓における多彩な生理機能がSNARE複合体を介して発揮されていることについて解説したい。
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