特集 —総合診療の視点から見た—感染症診療Update—この10年で変わったものと変わらないもの
【各論】
❿在宅医療で感染症を疑うときの最優先事項
石川 元直
1
1医療法人焔やまと診療所
キーワード:
在宅医療
,
抗菌薬適正使用
,
アドバンス・ケア・プランニング
,
advance care planning
,
ACP
Keyword:
在宅医療
,
抗菌薬適正使用
,
アドバンス・ケア・プランニング
,
advance care planning
,
ACP
pp.1398-1402
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350121398
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この10年で変わったもの
・厚生労働省の調査では在宅医療を受ける患者は年々増加している1)
・ICTの進歩により医療・介護職間の情報共有が加速(電子カルテ・チャットツールなど)
・医療機器の小型化・簡便化で在宅酸素療法や点滴治療も日常的に実施可能に
・社会意識の変化により「自宅で最期を迎えたい」と希望する患者・家族が増加
・COVID-19の流行により感染症対策や在宅医療への注目がいっそう高まった
・抗菌薬の供給不安・入手困難が顕在化して現場での薬剤選択の幅が制約を受けるようになった2)
この10年で変わらないもの
・在宅医療の「不確実性」(即時の検査や処置が難しく現場での判断力が常に問われる状況)
・看取りをめぐる家族の迷いや葛藤・方針決定の難しさといった課題(今もなお在宅医療の現場で繰り返し直面する本質的なテーマである)
・在宅医療と救急医療の間で情報連携や判断のすり合わせが難しく、コミュニケーションの行き違いが患者対応に影響を与える構造

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