特集 画像検査との“上手な”つきあい方—知っておきたい画像検査・画像診断のアレコレ
【画像検査と上手につきあうヒント】
❺プライマリ・ケア医が知っておくべき最近の画像検査&診断事情—dual-energy CTからphoton-counting CTへ
吉川 聡司
1
1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
キーワード:
photon-counting CT
,
dual-energy CT
,
低被爆
,
AI POCUS
Keyword:
photon-counting CT
,
dual-energy CT
,
低被爆
,
AI POCUS
pp.1062-1063
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350091062
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
●dual-energy CT(DECT)
最近普及しつつあるdual-energy CT(DECT)が役立つのは椎体骨折の診断くらいで、その他は特殊な状況である。紹介すると、PTTM(pulmonary tumor thrombotic microangiopathy)や慢性血栓塞栓性肺高血圧症、椎体痛風の診断では有用と感じる。
一方で、肺血栓塞栓症ではDECTから得られる有用な追加情報はないとされており1)、実感と合致する。筆者自身は、DECTが有用であったストルバイト結石の症例を経験しているが2)、通常はマネジメントに大きく影響を与えることはほとんどない。その他、X-mapによる脳梗塞、CT陰性胆石、ヨードマップ画像による腸管虚血の評価や仮想単純CTなど、いずれの情報も日常診療に影響はない。造影剤量の減少という利点も、造影剤腎症がほぼ問題とならない造影CTではあまり意味がない。以上のように、DECTが有用な場面は限られているのが現状である。
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.