#総合診療
#書評:がん薬物療法のひきだし 第2版—腫瘍薬学の基本から応用まで
福土 将秀
1
1札幌医大・医療薬学/病院薬剤部
pp.535
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350050535
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近年、新規作用機序を有する分子標的抗がん薬や免疫チェックポイント阻害薬が次々に開発されてきている。また、がん治療レジメンについても複雑化・多様化しており、単剤治療ではなく殺細胞性抗がん薬や分子標的薬などと組み合わせたがん免疫療法も臨床で広く用いられている。このように、抗がん薬の研究開発と臨床現場におけるがん薬物療法は日進月歩であり、薬剤師をはじめとするがん医療に従事している医療スタッフは、常に最新の情報にアクセスし知識をブラッシュアップしていかなければならない。
最近、2024年度の診療報酬改定において、「がん薬物療法体制充実加算」が新設された。その算定のためには、外来がん診療において病院薬剤師が医師の診察前に、患者さんの服薬状況や副作用発現状況などを確認して、服薬指導や副作用に対する適切な支持療法を医師に処方提案することが必要とされている。このように、入院のみならず外来腫瘍化学療法においても、薬剤師が活躍できるさまざまなフィールドと場面が着実に増えてきたことを踏まえると、がん薬物療法における薬剤師の職能と存在価値が、これまで以上に高められることが期待される。

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