#総合診療
#書評:「卓越したジェネラリスト診療」入門—複雑困難な時代を生き抜く臨床医のメソッド
片岡 仁美
1
1京大医学教育・国際化推進センター
pp.53
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350010053
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藤沼康樹先生のファンである。まだ先生を存じ上げなかった頃、『日本内科学会雑誌』に掲載されていた文章に感銘を受けた。その後、『総合診療』誌の編集委員としてご一緒させていただく機会が増え、いっそうファンの度合いが増している。しかし、それを差し引いても、序文を読んでいる最中から涙してしまうとは自分でも予想外であった。新幹線で席に着くや本を開いて、1ページ目から涙ぐんでいるせわしない私を見て、隣の方も不審に思ったかもしれない。
医療はサイエンスとアートである。よく聞く言葉であるが、「本書では、サイエンスに原則があるように、アートについても、曖昧なものではなく行動原則があり、ガイドラインがあるということを、できるだけ厳密かつ明快に語っています」(本書p.iv)と述べられている。そして、「『卓越したジェネラリスト』は、医療のサイエンスとアートを同等の価値をもつものとして取り扱います。そこにこそ、卓越したジェネラリストの最大の特徴があります」(同前)という文章を読んだ時、前述のごとく胸が熱くなってしまったのである。
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