特集 ホスピタリストのための精神科の知識
4.気分障害—単極性と双極性の病態で,薬物療法が大きく異なる
藤田 弥佑
1
,
胡 啓愛
2
Miyu FUJTA
1
,
Hiroe HU
2
1University of California Los Angeles, Department of Family Medicine
2National Institute of Mental Health
pp.705-722
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120040705
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気分障害mood disorderは,感情障害と同義で用いられることがある。「気分」は個人の内面的な感情の体験を指し,「感情」はその気分の外面的な表現を指す。気分障害は,通常の感情の変動範囲を超えた気分や感情の乱れ,それに起因し,社会的または職業的機能に支障をきたすことを特徴としている。
気分障害は,抑うつ状態と躁状態の「二極」を用いて説明される。このため,抑うつ症状のみを呈する気分障害は「単極性うつ病」とよばれ,躁症状または軽躁症状と抑うつ症状の両方を含む気分障害は「双極性障害」とよばれる。

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